2月新刊発行
はじめての
部下指導の心得
経営書院 ¥1,200
かつて世界を席巻した日本的経営について、それを可能ならしめた背景の一つとして、雇用の流動性の低さが上げられます。
つまり、定年まで会社にいることが前提な社会であったため、企業への忠誠心は強く、従って、特別の施策やコミュニケーションの工夫がなくとも、
難なくある程度の高いモチベーションを確保することができていました。また、各個人に対する教育や指導による個人の成長を、
そのまま組織の力として吸収することができていた時代でもあったわけです。こういった意味で言えば、企業と個人の関係が歴史上、
これほど良好な状態を維持できていたことはなかったのではないかと思われます。
ところが、バブル崩壊後の企業におけるリストラや成果主義の導入は、セーフティーネットとしての会社への信頼を揺るがせ、
あれほど強固だった企業と個人の関係にはヒビが入りはじめました。その後の労働市場における需給の逆転により雇用の流動性はまたたく間に高まり、
結果、企業と個人の関係はドライなものへと変遷を遂げ、現在に至っています。
一方ではこのような社内での状況を抱えながら、他方、企業を取り巻く環境の変化は、
そのスピードが収まるどころか、ますます加速はその度を増しています。多様化する顧客ニーズと高度化する要望を満足させながら、
コンペチターとの激しい競争に日々追われる毎日を送っています。
このように社内外の厳しい環境にはさまれながらも、目標の確実な達成が要望されているのが、まさに現在の管理者と言えます。
現在の管理者と20年前の管理者像とは、まったくの別物といっても過言ではないと言えます。
従って、こういった意味で言えば、管理者としての本来のあるべき姿が追求され、同時に管理者の重要性が、
今ほど求められている時代はないと言えるでしょう。
このような時代に持てる力をまずます発揮できる管理者となるために、その基本的なポイントを提示するのが本書の目的になります。
自社ビジネスの理解を踏まえた上で部下を指導教育し、さらに活性化させ、企業の持てる資源を最大限に組織力として活かすことのできる
新しい管理者像として、次の3つがあげられます。
1.メンバー一人一人を育成し、それぞれの能力を高めることができる
2.各メンバーのやる気を高め、持てる能力を最大限に発揮させられる環境を整えることができる
3.育成したメンバーの能力と高まったやる気を、効果的に組織課題に集中させ、確実に目標を達成させることができる
本書は、この管理者像を実現するために7つの章とそれぞれ各5つの項目でまとめられています。また、イラストや図表を多用することにより、わかりやすく、そしてイメージしやすいようにも工夫されています。
内容
第1章 管理者としての「仕事観」を養う
第2章 組織力を効果的に活かすコミュニケーションスキルを高める
第3章 メンバー一人ひとりを自発的に行動させるモチベーションアップ力を高める
第4章 部下を育て、そして自らも成長する
第5章 部下タイプ別指導法」を使いこなし、実践力をつける
第6書 強固な負けないチームをつくる
第7章 キャリアビジョンを描き、実現する
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